3図書室と王子様(朝月)


さて、ここは図書室なわけだが。
「にょ〜〜〜〜〜!」
何故ここに転校生(エイリアン)がここに居るのだろうか。


「ああ、御免。校内案内したらいつのまにかついて来てた。」
工藤周が無表情に言った。工藤さんは僕と同じクラスである。ついでに柏原も。
ふいにパリ、パリという音がした。
横を向くと、・・・柏原がポテチを無表情に食べていた。

「!?柏原、よく無表情でポテチ食べれるな!」
「いや突っ込むのはそこじゃないでしょ」
工藤にさらに突っ込まれた。
転校生(エイリアン)はにこにこしながらポテチをつまんでいる。

「おいこらお前俺のポテチ取んな」
「みにゅにょ〜」
「日本語を喋れ」


そうこうしているうちに、誰か小さい女生徒がやって来た。
・・・下級生?


「はぅぅ〜もう皆さん居・・・て・・・」
その少女は転校生を見て疑問符を浮かべた。
そして、その後何故か奥にいた僕を見た。
「・・・?何か御用でも?」
「は・・・あ・・・あ・・・
             

王子様だぁ---------!!」



「「「は!?」」」



何なのだろうか一体。
『王子様』・・・まさか僕ナノデスカ(硬直)
・・・いやいやいやいやおかしいだろう。うん僕じゃない。
大体僕は王冠なんかかぶってはい「ドスッ」
「ぐはっ!?」


「はぅぅ、やっと会えましたね!!昔からの運命(さだめ)なのです!ディスティニーなのですぅ!!」


何を言っているんだこの人は。
僕は粘着テープのようにくっついているこの人をベリベリと引き剥がした。


「あぅぅ、冷たいのですぅ・・・はぅっ!わかりましたっ!!『ツンデレ』というやつですねっ!!じゃっ、『ツン』を突破してみせますぅっ!!!」


ズドドドドド


僕は華麗に、かつ素早くこの人をよけた。
彼女は本棚に突っ込みそうになって慌てて止まった。


「はっ。名前も知らないのに失礼致しました。
私(わたくし)の名前は水林弥生と申しますですぅ」
その水林とか言う女学生はスカートの端を少しもってお辞儀をした。


「で、そちらの方は・・・?」
そして、転校生をキョトッと見た。


「にょ、ににょ?」


転校生(エイリアン)はポテチをくわえたまま振り向いた。
柏原がそいつをじとっと睨んでいる。
転校生(エイリアン)はポテチを飲み込んでから言った。


「初めましてなのだにょ!我輩、柊やなぎというのだ!!我が母星柊星から、『日本に柊語を広める』という使命をもってやって来たのだにょ!! 2年の柏原たちと同じクラスに転校してきたのだ、よろしくお願いしますなのだ〜!!」


水林だけ拍手をした。
静まり返った図書室に水林の拍手の音だけが響き渡る。


「はうっ、なぜ先輩方+王子様は拍手をしないのですか。」
「それは僕が教えてあげよう水林とかいう女学生君。
1、 この説明はさっき聞いたし、
2、 こんな奴と関わりたくはないからね、
水林君もこんな奴に関わらないほうが良い」


「ににょ!?ダメなのだ〜。我輩は柊語を広めるために地球に来たのだ!やめるわけにはいかないのだにょ!!」


「さあそろそろ帰ろう柏原、工藤さんとそこの推定水林君。それから水林君とやら、僕を王子様と呼ぶのはよしてくれ。僕には朝月峰という立派とはいえないが特にも恥ずかしくもない名前があるんだ。 できれば他の人たちと同じように朝月先輩と呼んで 「はうぅ、分かったのです峰先輩。」
「いやだから朝月「峰先輩帰らないのですかぁ?」


気づいたら柏原も工藤もこちらを見ている。
エイリアンは気付かないで一人で盛り上がっている。


「帰りましょうか」
僕らはエイリアンを残したまま図書館を出た。
中からはまた「柊語を広めるのだにょ!」と叫ぶ声が聞こえた。




〜5分後〜
「にゅにょにょ!!皆何処へ行ったのだ!?我輩ここから出られないのだ〜!!」
エイリアンの叫ぶ声が、図書室から聞こえたそうな。


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