2体育祭とは人の人格をも変えてしまうものである(朝月)


授業参観が良く分からない形で終わり、(というものの僕は途中で抜けて帰ってきたのだが)学校も静かになった。
終わった…良かった。本当に良かった


日本一暇だと噂されている大学生も、文化祭がこれからある様で家も静かだ。
やっぱりこういう静かな日常が良い。


隣でポテチをパリパリ食べてる音が聞こえても、
「にょ〜」と叫ぶ声が聞こえても、
「ピコン。」という妙に抜けた音が聞こえても、
「王子様!このバッグ、どうですか!?」という音が聞こえても、


    ………………図書室は静かだなぁ(読書中)



文化祭も授業参観も終わった、そろそろテストだろうから勉強でもしなければ……。
そう思っていた矢先、
「そういえば、体育祭そろそろですねっ!!」
その言葉で、全ての音が一瞬にして消えた。


「にょ?体育祭とは何なのだ?」
エイリアンが自前のKY能力を発揮する。
工藤が黙って柊を叩いた。
「ピコッ」というのどかな音がした。
「痛いのだ!我輩は何もしていないのだ!ただ『体育
「これ以上『体育祭』という言葉を口にしたら叩きますよ」
工藤の背後に黒いオーラが見えた。
柏原がうんうんと頷いた。


体育祭、それは(柊を除く)現2年生図書組の恐怖の対象。タブー用語。


妙に張り詰めた雰囲気から逃れようとして、柏原はポテチを一枚つまむ。
途端に、柏原がポテチをのどに詰まらせて目を白黒させた。
「お……俺の恋人が反逆して来た!いつもはそういう性格じゃないのに……」


体育祭とは、人の人格をも変えてしまうものらしい。






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