7手掛かり発見!?(柏原)


柏原の目は虚ろで、
工藤は何処へ駆けて行って、
柊は何処かへ消えたので、
「結局2年生は僕だけなのか……?」
と云うことなので、
僕は現在自分のクラスで聞き込みをしている。


「…と…と…と…と…のうち一つだけでも見たことない?」
「いや、ないね。」


あまり調査の進みは芳しくない。
これは……もしかしたら本は見つからないかもしれない。
まあ僕は持ってるからまあ良いといえば良いんだけど。
皆買おうね、愛読書位。


「…と…と…と…と…の内一冊だけでも何処かで見掛けなかったか?」
「その本はあれか?背表紙が青と黒とピンクと黄と白でその内一冊は図鑑なのか?」
「……たぶん。」
「それなら見たかも知れないな」


・・・何。


「あーたぶん1年生だな。昨日か一昨日1階でその子が一生懸命重そーに5冊の本を持って歩いてたから『持とうか?』と聞いたら『いいです!』て断られてさあ。
その時上に見えたのが黒魔術が何たらっていう題名だったんだ。
背表紙を見えだったから他の本の題名もすぐ分かったよ。
それにしても美人だったなぁ……」
「女子だったのか」
「俺は男子に美人とは言わない。そして男子がいかに重そうな荷物を抱えていようとも、
『持とうか?』なんて優しい言葉はかけない。男子は一人で成長するものなのだ!」

・・・フェミニストがここにいる。
まあこのフェミニストのおかげで見つかったんだからそれはそれで良いとしよう。
「有難う、フェミニスト。」
「…・・・は?」

1年生なら水林か。
そう云えば水林は聞き込みを真面目にしているのだろうか。
あの性格からして真面目にやってなさそうだな。
だけど、もし真面目にやっていたら。

最近逆ギレする犯人が流行っているらしい。
だから、もし犯人が逆ギレしたりして、もし凶器を持っていたりしたとすれば。

水林が危ない。



(まあ中一だし、大したこと無いだろうけどな。)





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