12逃走劇と策略(紫堂)
「ったく、この学校なんでこんなに人が多いんだよΣ!!」
藍垣先輩が怒ってます。叫んでます。その怒りを鬼にぶつけてます。
……やつあたりはいけませんよ?
開始から15分たった今、藍垣先輩は黙々と鬼を倒している。
恐ろしいことに、開始5分あたりから鬼の大半はキモイ男衆、しかも『柊さ〜ん』とか
『藍垣さ〜ん』とか叫んでいる、にかわった。
すばらしい、メイド効果である。
「にゅにょーーー!!キモイのだーーーー!!助けてなのだ紫堂。」
さすがにこれは恐ろしすぎるらしい。
或る意味地獄絵図だ。
やなぎちゃんは私にしがみついている。
「紫堂!!俺はいつまで鬼を倒せばいいんだ!!」
「ん〜。放送室のカギが破られるまでらしい。あと20分くらい?」
「にゅにょっ!それなら我輩たちのほうでカギを壊してしまえばよい話なのではないのだ?」
ナイスアイディアです、やなぎちゃん!
30分逃げ回る必要ないじゃん!!
「藍垣先輩、今の聞いていました?」
「あぁ、でも倒しながらだから、放送室まで5分はかかるぞ。」
「それで十分です。」
Let’s放送室、ってことだね。