8「文化祭→鬼ごっこ大会?」(朝月)


今日は、文月巽です。
文化祭ってとても賑やかなんですね……
私はあまり文化祭・・・というか、お祭りに参加したことないのでよく分かりません。
でも人が沢山いるのはあまり好きではないです。
お祭りは屋台の食べ物の匂いや人の匂い、画材の匂いとか本当に色んな匂いが混じって息がつまりそうになります。
まるで自分が匂いに乗っ取られそうな、そんな気がしてくるんです。
私、おかしいですね。


「鬼ごっこ」って文化祭の行事の1つなんですか?
だったらいっそのこと早く捕らえられて休みたいです。


「それで朝月さん、どうするんですか?」
「え、家に帰るよ?」
私が聞くと、朝月さんはさも当然そうに言いました。
英さんが残念そうな声をあげます。
「えーー!?もう少し遊ぼうよっ!?もう帰るの?」
英さんは綿飴を買ったりたこ焼きを買ったり、色んなゲームをしたりして文化祭を満喫しているみたいです。
英さんを見ていると「人生を満喫しているなー」と何だか羨ましくなってきます。
「捕まらなければいいなら学校を抜ければいいし。そもそも文化祭なんか面倒なだけじゃないか。」
「えー。じゃあ私残ってもっと遊ぶー。巽も残ろうよー。」
「私は丁重にご遠慮申し上げます。」
早く帰りたいんです。



ということで。


朝月さんと私は家に帰ります。
今校門に向かっているところなのですが……。
人がいないです。
朝月さん、そんなに影薄いんですか……?
それはそれで喜ばしいですが……。


まあいつ鬼が出てくるのか分からないので英さんが不平不満を言いながらも護衛についてます。


一刻も早く、家に帰って部屋に引きこもりたいです。
私本当、何のために出てきたんでしょうね。



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