2やはり朝月は最悪だ。(水林弟)
「おっ……
王子様―――――――――!!?」
えぇ!?今、弥生姉ぇの叫び声がきこえた気がするけど……
うん、絶対弥生姉ぇだったって、テラスに走り去っていったピンクのドレスが見えたもん。
弥夜姉ぇは、「こすぷれ」っていう大会に行っちゃってたから…
僕は弥生姉ぇを追いかけた。
「うっ…ひどいのですぅ…あぅぅ…」
「えーと、…弥生姉ぇ?」
ビクッと肩を震わせて、僕を大きな瞳で見上げた。
「なんですか…弥勒じゃないですか…あぅあぅ…」
「や、弥生姉ぇ…泣かないで」
「泣いてないですぅ!弥勒の前で泣くことなんてないですぅーーっ!」
うん、メチャクチャ泣いてますね。ボロボロ泣いてますね。
「あぅ…折角、せっかく、このドレス着て…楽しみに…してた、のにっ…」
ギュウ…、とドレスのすそを握り、またボロボロと涙をこぼす。
えー…と、どうしよう。
「…弥生お姉ちゃん。」
「…何ですか?」
「…ぼ、僕と踊ろう?」
そういうと、お姉ちゃんは眼をいっぱいに見開いて、僕の顔を見た。
…やっぱり、駄目ですよn「そ、そういうことでしたら…」
「はぇ?」
「弥勒は、まぁ、この私と顔のパーツが嫌なことにほぼ一緒ですからねっ
どうしても…っていうんだったら、踊ってもいいですよっ!」
「うん、そうだね。」
はは、素直じゃないなぁ、弥生姉ぇ。
「何笑っているんですか、カス弥勒。…あぅ〜王子様の代わりが弥勒なんて…
最悪ですぅ〜…」