8某有名曲をBGMにして2(イアン)




イ・ア・ン・君・の・ミ・シ・ン・工・場〜実行編〜

(推奨曲っていうかイアン脳内BGM) ショパン作曲:幻想即興曲




おはようございます。朝からこのBGMの選択で分かるように時間がありません。
ゴメンなさい、もういいですか。
僕、語りやってるヒマないんで。


〜ということでここからの視点は周ちゃんで〜す。〜

はぁ、まったくどうして私がイアンなどの代わりをしなければならないのです?
けれど、頼まれたからには仕方ありませんね。私がしましょう。

まずはイアンが何故こんなにいそいでいるのかですね。
下が現在のイアンの状況というより生活ですわ。


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午前3:00  起床
  3:00-7:30 ミシン
  7:35 - 朝食etc
  8:00- 学校(ミシン)
  12:35- 昼休み(ピアノ)
16:00- 放課後(ピアノ)
20:00-   帰宅(ミシン)
24:00-   就寝

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お分かりになりますか。
彼の1日の実に87%はミシンとピアノで構成されているのです。
最近、イアンに本気であわれみを感じてきました。
助けてさしあげたらよいのですが、家庭科と音楽は私の天敵ですから。
どうしようもないのですよ。
あら、イアンに余裕ができたようですね。
では語りを返しましょう。




ガタガタガタガタガタガタガタ

「『ましかば』は『反実仮想』なので、もし〜ならばという訳になるわけです。」

ガタガタガタガタガタガタガタガタ

「あの、影賀君。」

ガタガタガタガタガタガタガタガタ

「聞こえてる?影賀君。」

ガタガタガタガタ ガタガタガタガタ

「聞こえてます、先生。けど今ちょっとミシンなんです。」

ガタ×∞

「君のミシン音でね、僕の授業が聞こえないんです。」

ガタ×∞

「分かってます。けど、他に教室空いてなくてここでするしかないんです。」

ガタ×∞

「そこまでミシンをし続けなければならないのですか?
あと授業中にIPODを聞いちゃいけないのは知ってます……よね?」

ガタ……
(*面倒なので、この会話の裏には常にミシン音が鳴ってることにしてください。)

「はい。先生。その必要があるんです、とても。
文化祭までもう2週間ないのに作らなきゃならない衣装は30着超えているし。
それにこのIPODだって聞きたくて聞いてるんじゃないんです。
そんな状況の中ピアノはいっこうに目処が立たなくて……。
このままじゃ楽譜に目を通しきらないかもしれないから、せめて耳コピをと、
だいたい好きでワルツとミシンの協奏曲を聞くと思いますか?
本当に4分の3拍子と4分の4拍子のコントラストってひどいっていうか
頭にくるってか、本当……本当………キツいんですよ。」

「…………………………。」

橘先生の視線には、なんだか、憐れみが入っていた気がする。
「じゃあ授業始めます。」
僕の戦いは終わらない。




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