10ブルータス、お前も酔ったのか(柊)


あちらでは柏原とやらが女生徒に抱きつかれ固まっている。
その向こうでは影賀兄の方が「うなギー!!」と何やら叫んでいて、影賀弟が生暖かい目で見ている。


そしてこちらでは……
「柊先輩もお飲み物のまれますか〜〜〜?(ヘラヘラ)」
「おぉ!水林、ありがとうなのだな。」
げっ!やなぎ……それ酒……


すっかりカオスになった花見。
俺はもうちょっとまともにやりたかったんだけどな……。
図書組呼んだ時点でもう無理か。


まぁ、それは置いといてだ。
酔った水林がやなぎに酒飲ませたため酔っぱらいが1人増えた。
ブルータス、お前もか。お前も酒に酔ったのか。
今俺の頭の中ではブルータスが一升瓶片手に手を振っている。
やあ、こんにちは。


「柊先輩〜(ヘラヘラ)」
「ににょにょにょ〜(ヘラヘラ)」
駄目だ。すでにまともな言葉をしゃべってない。
というか水林はさっきまで寝てたはずなのに、何故酔ったまま復活した。
で、飲ませた。ブルータスを1人増やした。

「にょ!?」
水林がまたもつぶれた。
やなぎの肩によっかかってしまい、やなぎの方まで押しつぶされている。


「にっににょーーー!!(汗)」
「ったく。」
水林をどけ、横に寝かす。
「王子様〜!!」などと寝言を言ってるからには幸せな夢でもみてるんだろう。


……っと横を見るとやなぎが「トンッ」ともたれかかってきた。
…………。もしかして女子組は全員よいつぶれたか。そうか。


「……お兄ちゃ〜ん。Zzz。」
……。
………。
あれ?これはあれか。
幼少期(まだその頃は俺とやなぎは仲がよかった)の夢を見ているというやつか。
何かちょっと幸せ。
今もこれくらい仲が良かったらいいのに。


今はもう皆つかれて眠っているか、静かに桜を見ているかしている。
すごく穏やかだ。


……………思っていた花見とは違ってたけど、こんなのもまあいいか。



back  menu  next(後日談)

家具

テンプレート