7電車通学者のみが習得可能の伝説のアレ(朝月)


数日前、僕のテリトリーであった筈の屋上に乱入者が一人いた。
白髪青眼白ガクランという、何だこれ、コスプレした外国人かと思わせるような痛すぎる外見だったが……。
まあかくまってくれたので良い人なん…だ…ろう…?


で、



何故、      増えた。



屋上の扉を開けると、そこには寝っ転がっている白髪と立っている黒髪がいた。


…わあ、対照的。
取り敢えず、白髪に声をかけてみる。
「今日は…あの、あちらに立っている方は知り合いか何かですか?」
「いや、見も知らぬ他人だ。」
声はかけられたがな、と彼はにこやかに言う。


……。
あの人…さっきから校庭見てるけど……
まさか…      自殺志願者じゃないよな…困るんだけど。
主に僕が。


「すいませーん」
「……」
「すいませーん、あのー」
「……。」
返事は無い、ただの屍のようだ。


「すいませーん」
「……(ガクッ)」
……。…寝てる!?


寝てるよこの人!立ったまま!!無駄に凄っ!
これはあれか、電車通学者のみが習得することが可能なあの伝説の“立ち寝”か!
まさかこの学校にいたなんて……信じられ……ん?


黒髪の胸に何か付いている。何だ…これ…バッジ?
何か書いてあるけど…えー…ん、生徒会長?


……。
生徒会長ですか。さいですか。
へー、この学校の生徒会長って立ち寝できるんだすげー。


……。
生徒会長が何故ここにいる。何故寝ている。
後ろを見れば白髪も寝ていた。
いいなあ、僕も寝たいなぁ…。



寝よう。
思考停止。
おやすみなさい。



パタリ。



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