6春眠暁を覚えず(光矢)


春眠、暁を覚えず。と云ったのは誰であったのかは、もう忘れてしまったけれど。
まあ、あれは正解なのだろう。うん。


思えば、何故僕はここにいるのだろう。
中等部を卒業してから僕は
『やけに目と言葉の一致しない』母や
『顔を見るたびに飛びついてくる』お嬢さんから少し意識をそらしたいと思い、いけるところまでいく旅に出た。


けれど、3年も経ったらお金もなくなり、しかたないから家に戻った。
ら、お嬢さんから「これにサインを」といって紙に名前を書かされた。
そしたら、なんか学校ができた。
しかも協力者は僕らしい。
僕は生徒会長になっていた。


あぁ、ねむい。
世の中とはよく分からないものだ。
うん、ねむい。
なんか僕、お嬢さんと同じタイプの人間らしいし。(そんなに飛びつかないのに)
うーん、ねむい。
「黒いっ!黒いっ!」て髪の色はみんな黒なのに。
あっ、ねたい。
僕はあの桜のように静かに生きたいね。


「いや、桜は無理なんじゃね?お前、いたって普通の人間だろ?」
うつろうつろな目に映る不良?君。


「君、不良?」
「いや、違うけどさ。」
限界だ。もう寝る。


「寝る。」
「ここ屋上だぞ。」
「けど寝る。だってねむ……いし。ここぼ…くの…学校だ…し。協力者、ふあーーーーーーーー。らしいし、僕。」
「僕の学校って。」
「ジョーーーーー……クだって。そうだ、き…み…せーと…かいに…どう。」


僕の意識。シャットダウン。



(あっ、彼入ってくれるかな。なんか面白そうなんだよね。)



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