3聞き込み開始(工藤)
ともかく聞き込みですっ。
「花鈴ちゃーん、今いいでしょうか。」
「うん、どうぞ。」
花鈴ちゃんとは仲のよいお友達なんです。
「今、なんとですね……」
まずは事情を話すことにしました。
それにしても『黒魔術』を借りる人なんていたんですね。
はっ、もしかして借りた人も黒魔術を使って生徒会長の座をねらってるんでしょうか。
どうしましょう、おもわぬライバルですか、登場ですか。
「花鈴ちゃん。」
花鈴ちゃんの手をぎゅっとにぎります。
「私たちって友達ですよね。(票はわたしにいれてくれますよね)」
「うん。」
こんな私の心の声に気付かないで、花鈴ちゃんはほほえんで下さいました。
とりあえずは一票獲得です。
「では花鈴ちゃん。私は聞き込みを続けますので。」
「がんばってね。」
こうなれば、一生懸命本探しですっ。
そしてライバルを見つけ出し、蹴落とさなくてわっ。
見つからなかったとしても何十人かに聞き込みして票を同時に集めましょう。
「一石二鳥をねらって。」
がんばって旅にでます。
私の『黒魔術』は誰にもゆずれないんです。
だって私はただ今『黒魔術検定2級』なんですからっ。
(ちなみにハツは一級なんです。
あいつは絶対愛読書は…ハッ。まさか私の『黒魔術』をとったのはハツなんでしょうか。)
「許すまじ、ハツ。」
私は