17屈辱です(工藤)


「周、ごめん。僕はハツが恐い。」
華麗にお茶を飲んでいたら、どこかの裏切り者に頭にネットをかぶせられたのと、
「あぁ、もう破られちゃったの。仕方ないなぁ……。これにて終了。」
という声が聞こえたのは同時に思えます。


この後の放送によりますと、エイリアン一団(一団といってもエイリアンは1人なんでしょうが)が私の完全密室放送室を換気ダクトから入って破ったんだとか。
私の予想では40分は突入までかかるとふんでいたのですが、まさかダクトなんて……。
おかげで20分ちょっとで私の……私の傑作が。
次からダクトも開かないようにしなくてはなりませんね。


って前書きはかまわないんです。
重要なのは……


「じゃあ、周は終了と同時につかまったのね。」
「そっそうです。僕、ちゃんとハツ会長の命令に従おうとしました。
けど終わりが早すぎて。」


屈辱です。プライドなし崩しです。世の終わりです。
この私(わたくし)工藤周があんなイアンに終了と同時とはいえつかまるなんて。


「いやーぁ。周ちゃんってば、ド・ジ・ね。」
こめかみがひきつる音でしょうね。ピキッて。


「あぁぁ、パッシー君(イアン)につかまっちゃうなんてね。まぁ、終了と同時だから退学はいいんだけどぉ、
私の愛しい柊ちゃんのお・か・げ・ね。」


この人って奴は、人がおちこんでいるのを喜んでいるんですね。
性格黒いし、漆黒も越えて、人じゃないでしょうに。


「あれぇ、さっきから周ちゃんってば、だまっちゃって、か・わ・いー。
詰めが甘いのよねぇ。うん。私にかなうには10万年早いっ。」


あー、もー、いーですよー。
生徒会長には自力でなりますし。


「裏切り者がっ。」
とりあえず、このイラダチすべてイアンをにらむことで消すことにしました。
逃げられましたが……。


「ハツなんか地獄に落ちればいいんです。」
「地獄?それ私の植民地っ。」
あー、そうですか。
そうですね。腹が立ちます、ムシャクシャします。


「ちょっと、周ちゃん。私がボケてあげてるのにぃ。ツッコミしてよぉ。」
ハツ、冗談に聞こえませんでしたよ。
それに、今日テンションがブリッ子で吐き気がします。


あ、そうだ。エイリアンにお礼を言わなくてはなりませんね。


「今日はありがとうございました。柊さんっ。」
屈辱です。この私が……エイリアンに……助けられるなんて。


「礼なら藍垣にいうのだにょ。」
「そうですね。」


遠い夕陽を見ながら思いました。
敵は生徒会室、只今目前にあーーり。
だが、しばらくさけて通ることを誓います。
負けじゃないんですよ、負けじゃっ。

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