1今世紀最大の侮辱の言葉(紅葉)




トンネル(睡眠王国)を抜けると、
雪国、ではなく舞台だった。


いや、オレは観客席にいるがな、……

何故だ。2日目になっている。


(小説マジック……名詞。文字を隠す、または時空を超える)
……ということだ。
『さて、中等部2年生劇が始まるよーーー!』
え、マジで?ヤバイな、場所についてかねーと。



『むかーしむかし、ある所に、夢見がちな白雪姫を持つ継母がいました』
おぉ、撫子の声だ。THE棒読み。
「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番王子様を待っているのはだれ?」
『それはー水林―弥生姫ですぅー』


「ごめん柏原、すごく嫌な予感がするから退場させてもら(ガシッ)」
「スマン、アサヒスー○―Dry……」
「朝月です。」

というより離して下さい、と朝月がこちら(オレはこいつの後ろに座った)を向いた。
だがな、オレは……オレはな……

「オレは、……お前の命の危機と共に、オレの命の危機(煙草水沈めの刑)にあってるんだ……撫子のせいでな……っ!!」
「先生、目が恐いぞ。(パリパリ)」
となりのモアイ(かなり汚れている。まるでゴミ捨て場から来たようだ)が、ゆっくりとポテチを食いながらこちらを見た。

「そんなこと言ってないで助けろ柏原。」
「…今俺はポテチを食べている……それに……
恋人が水に濡れる悲劇は知っているっ……!(*ヘニャヘニャになりますね)」
「柏原…っ」
「先生…っ」
「いやあの離して下さい、それから助けろ、この裏切り者っ(←朝月にして結構必死)」

そんな、オレと朝月が生と死の攻防戦(デスマッチ)を小声で絶賛開催中でも劇は淡々と進む。





〜省略(メンドいため)〜

やがて、白雪姫は、毒アボガドを魔女からもらった。
「まぁ!なんておいしそうなアボガド!」
そして小さな口で緑色の…えーと、アボガドだな、あれを食べて、グラリとゆれ、倒れた。
ナイス名演技。

「弥生……じゃなかった白雪姫!」
「白雪姫!」
『まーなんとゆーことでしょうか。なんと、白雪姫は毒殺されたのです。』

エグいな(表現が)

『これは王子様がいないとダメですねー』

王子様……名詞。二、ステキな存在。基本白馬にのっている。
          そして、水林の王子様。

パッ、とスポットライトが 朝月に あたった。
影賀(弟)が半泣きになって照明係をしているのが見えた。
朝月の顔がひきつるのが後ろからでもわかった。
そのまま七人の小人(白雪姫のお付きの人たち)とビリーがエッホ、エッホと「人体みこし」をくんできた。
そして、茫然としている朝月をポンとのせ、またエッホ、エッホと舞台へと上がった。




…スマン朝月。お前の雄姿は見届けた…!
(まぁ結局自分は守れたって訳だねbyユキトー)


『はい、王子様。キスして下さい。大丈夫、水林はあのアボガの中に睡眠薬含ませといたから本当にねてるよ』
なるほど、だからあんな名演技。
『まぁ、起きてたら水林飛びつくだろうし、……うん、キスしたら起きるんじゃない?多分。』
なんて無責任。



「嫌です、本当にいやなので」
『あっ、周様!』
いきなり撫子の声が変わった。すると声の主がかわったようだ。

『朝月君、早くしてくださいませ。貴方この流れをたちきるなんてイアン以下ですわよ?知ってます?
「イアン以下」って、今世紀最大の侮辱の言葉ですのよ?』



何故だろう、すごく照明がゆれている気がする。

『ほら、早くお目ざめのキスを。』
「キース!キース!」


……Fight、朝月。これはお前の試練だ!(とか言ってみる)




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