3イースター島の住人、降臨(朝月)




中3の展示物。……モアイ。
……あれ。何で僕(等)モアイなんか作ったんだっけ。

モアイ。自分で言うのも何だが、妙にリアルである。
気持ち悪い位だ。うん、はっきり言って気持ち悪い。
八頭身が気持ち悪さに拍車をかけている。(縦ロールも)
今しがた見に来たらしいお子様があまりの気持ち悪さに泣いた。
大泣きした。
……モアイで泣いた人、初めて見た。



とまあ 色んなことがあって、現在教室の中には
    泣いている子供………5人
    唖然としている人……8人
         モアイ……2体が……ん?

    ……2体?
    ……増えた?


今まで何も無かった筈のモアイ(本物)の隣。
何かいた。
明らかにダンボールで作ったと思わしきモアイ(のハリボテ)。
中から(ボリッ……ボリ……パリ……)という何かをかじる音がする。


モアイの頭を上げてみた。
     ↓
何かいた(ポテチ食べてた)
     ↓
頭を下げた



……今の……見間違いだよな

もう1度上げてみた
     ↓
  何かいた。
  「ん?何だ朝月」
  喋った。
     ↓    頭を下げた。


……モアイの妖精さんか。(違




「……えっと……制作係の人」
「ん?何か不備でもありましたか?」
「いや、違うんだけど……何かモアイが増えてるんだ。」
「あら本当。」
そう言って制作係の人(女子)はモアイ(偽)の頭を上げた。
  ↓
すぐ下げた。

「……資源ゴミかしら」
「……は?」
「…朝日君。ちょっとあのモアイ一般ゴミに捨ててくるから留守番よろしく。」
「…捨てるのか。…いや僕は朝月なんでけど……」
「じゃ、よろしく」
抵抗するモアイ(偽)を引きずって、彼女は教室の外へと消えた。


……なかなかシュールな光景だ。




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