3少なくとも3冊目では作者が予想だにしてなかった展開(柊)
「やなぎちゃん。君の古文の小テスト。はい、−1点。(百人一首5点+提出物−6点。)」
「そんな現実我輩は認めん。」
という
「橘、今度のダンスパーティー我輩と踊れ。」
「そんな現実僕は認めません。」
というやりとりは、今まさに職員室で行われていたりするのだ。
「踊れ。」
「やだ。」
「踊れ。」
「無理。」
「踊れ。」
「………。やなぎちゃんがこの前数学で破門(廊下正座)になったこと蔦乃君にバラ「無理。」
くそう、こやつなぜそのことを知っている!!
「そもそもなんでやなぎちゃん、僕に申し込むの?松乃君が喜んで踊ってくれると思います。」
「それが無理だからお前に申し込みにきたのだにょ。」
「あぁ、踊ろうにも背が足りないのか。」
「………(殺気)。まったく違うのだ。そもそも、背が足りずともあやつはかがんででも我輩と踊るのだ。」
……うぅ。場所を変えるべきだったのだ。
橘の隣に座ってるF先生(担任)の目が……目が……。
頼むからそんな目するななのだにょ。
こうなったら事の核心から言うのだ。
「例えシスコンだろうと我輩の兄なのだ。兄の恋路を邪魔する妹がどこにいるというのだ。」
「よく事情は分からないけど分かりました。例えシスコンだろうと僕の甥っ子です。甥っ子の恋路を邪魔する叔父がどこにいると。 それならば君と踊ります。」
よし、話が通じた。
「そもそも松乃君どうしたの?僕とやなぎちゃんが踊ることが松乃君の利潤につながるのは分かっ」
「多分、今この時間にでも愛の告白とやらを受けている最中なのだ。」
「受けている最中なのか。相手はどこの未確認生命物体?アオミドロ?」
「現実を見ろ。確かに明日あたり天変地異の起こりそうな話だが、相手は人間なのだ。」
I can’t believe(信じられない)………と頭を抱える橘。
「とりあえず、松乃は多分そやつと踊るのだにょ。」
「分かりました。謹んで君の申し込み(はたしじょう)受けます。」
よし、話はついたのだ。
(IN柊家)
「なぁ、やなぎ。もしも兄ちゃんが彼女できたらどうすr」
「もしもじゃなくて雪羽に告られたのだろう。我輩、あやつが柊の義姉になったとしても申し分のない奴だと思うのだにょ。心配するななのだ。」
「待て、兄ちゃんお前がどうしてそこまで飛躍した話しすんのかが分からない。」
雪羽蓬(ゆきば よもぎ)高1。今日松乃に告ったやつなのだ。
柊は、数学の学習部で面識があるのだが、弓道部所属の…………なんというか、
和服美人さん的なやつなのだにょ。きっぱりさっぱりしているやつなのだ。いいやつなのだ。
それにしても………顔を真っ赤にして机に突っ伏してる松乃………
初めてみるのだ。
「とりあえずなんと答えたのだ。」
もしも断ってたり『返事は一週間後』などと日和ってたら我輩こやつを殴るのだ。
地に落とすのだ。
「あのな……………………。
一週間後ぐらいから付き合うことを前提としたお友達からってことで。」
「まて、聞いたことないのだ!『結婚を前提としたお付き合い』ならきいたことはあるが、そんなの聞いたことないのだ!!」「知りもしない相手からの告白に即OK出すなんてそんな『顔だけで判断しました』的なことできるかーーーーーー!!
即OKしたかったけど取り敢えず相手の性格とか知りたかったんだよ。」
雪羽が松乃のエイリアン的な所を含めて告ってきたからか……。
まぁ、確かに雪羽とは今まで面識無かったのだろうからな………。
こやつなりに考えたのだろうとは思うが………。
「とりあえず、正直雪羽の“男を見る目”は疑ってはいるのだが、協力はするのだにょ。松乃。」
「やなぎ……それちょっとひどい……」
*お*ま*け*
「で、雪羽は『友達づきあいから』の理由はちゃんと知っているのだ?普通なら体のいい断り文句に当たると思うのだにょ。」
「あぁ、言った途端『何か理由が?』ってハッキリ聞かれたからそこんとこはちゃんと……。相手を知らずにOK出すのは個人的に失礼に当たると思うからって。」
「お前妙に律義なのだな。ハッキリ聞く雪羽も雪羽だが。」
「その時に『分かりました。』って笑った顔が凄く・・・なんか…もう可愛くて。」
「(ノロケか・・・・・これが世に言うノロケとかそこらへんなのだ!?)」