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8中等部平凡市民の災難(朝月)


時は自習時間前に遡る。


階段の踊り場の下にさらに影。
何処からも見えない箇の隠れ場。
水林という鬼、…未知なる何かに追いかけられ、穴場である其処に来てみれば、人がいた(withクラゲ)。
……ん、見たことあるな、……あ、えーと、……地雷発言の人。
向こうも僕を認識したらしく、「………凡庸王子」と呟いた。
………王子?………………凡庸?
「王子はつけないでほしいです、切に。」
そう言うと、彼女は少し微笑み、無言でスペースをあけてくれた。
体力と精神力と水分とその他大量のものが潰えて死にかけていた僕は有難く座らせてもらう。
「ありがとう」と呟いて彼女を見ると、彼女は虚空を見上げていた。
そして、クラゲに耳打ちした。
……クラゲ?……電波少女?……いやクラゲ?
無言で見ていると、何を思ったのか電波少女はクラゲを見送ってからこちらを向いてにこりと笑った。


そして
「ボクはもう行くよ。」
と立ち上がって去っていった。


そして約2分後。


ダダダダダダダッ!という音が向こう側から聞こえ、次の瞬間。
今1番見たくない顔と目が合った。

「王子様―っ!」


「人違いです。」


ボクっ娘、恨むぞ。


その後、チャイムが鳴るまで僕は逃げ続け、水林は追いかけ。
「王子様―っ!」という声が校内中に鳴り響いた。


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