3中等部生徒会長の憂鬱(僉川)


どうも、冂です。
今僕は桜の木の上に居ます。
春に先輩たちが花見をしていた、あれです。
さっきからいろんな人たちが下を通り過ぎていきます。


談笑しながら歩いていく女生徒とか、
何か叫びながら走っていく女生徒(「王子様」とか叫んでるっぽい)とか
「大丈夫だよ、うなギー」とか何とかニシキゴイ(in金ダライ)に話掛けている生徒会長とか
「誰か…誰かオレに煙草…」とか言いながらフラフラ歩く美術教師とか
白い人が吹っ飛ばされてたり(約20m位)とか
何かやけに影の薄い人がとぼとぼ歩………え?


「あ、先輩?どうしたんですか?今日はやけに影が薄いですよ?」
とうりゃっ!と木から飛び降りると、先輩がびっくりした様な顔をしました。
「何処から降りてくるの僉川君。しかも君何気酷いこと言ったよね今。」
「え?別に言ってませんよ?先輩すごく元気ないじゃないですか。」
本当に先輩の顔がぐったりしてます。
そのぐったりさが雨の中外に出しておいたぬいぐるみに匹敵しそうです。
さらに漫画だと縦線が入ってそうな勢いです。

「……いつも通りだよ。」
先輩は疲れた様な顔をして微笑みます。
……何か、すごく不安です。
「先パーイ。……自殺しないで下さいね。」
「………うん。」


やけに声が小さいんですけど先輩、僕心底不安ですよ?
大丈夫かなーとよろよろと歩く先輩を見ていると、
早速。


「イ・ア・ン?貴方こんなところで何をしているんですか?雑用(しごと)がたくさんあるんですよ?暇そうにしている場合じゃないでしょう。」
「“しごと”って聞こえるけど漢字は“雑用”って書いてある気がするんだけどっ!?」
「気のせいでしょう。ほら、片づけなさい(ましょう)。」
「だから“ましょう”って読んでるけど“なさい”って書いてあるよねっ!?」
「煩い。」
ズルズルと女生徒に引っ張られていく先輩(中等部生徒会長)。


………先輩、ファイト。


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