5『権力』とかいて『ポジション』と読む(工藤)


こちら3年2組は図書組もいず、先日作り上げたピコピコハンマー2009
〜あと1カ月しか使えないね(作者時間)〜を使う機会もあるようには思えない、
静かな係決めでございます。


「それじゃあ、好きな係に名前を書いてね。」
列ごとに皆黒板へ自分の名前を書きにいきます。
私は窓際なので、最後でしょうね。


「はい、じゃあ次の列。」
やっと私の番です。
今年の係りの選択肢は非常に少ないのですよね。
面倒事は嫌いですので、ジャンケンなんてもってのほかですし、
するとやはりここは図書部ですかね。


けれど、ここはいくらズルいと云われようと、とるべき権力(ポジション)を取るべきでしょう。


「先生、私、中等部生徒会長より『広報』をまかされています。
ですので放送部は1人分枠を開けていただきたいのですが……。」


こうして、先生は心良く放送部に私をしてくださいました。
イアンがそんなこと言った訳ではないのですが、どうせイアンですし文句はないでしょう。


イアンの名前は使うためにあるんです。


それにね、イアン。
せっかくこの私が広報を請け負うのです。
放送ジャックでも放送室立てこもりでもたっーーくさん仕事をふやしてあげます。
あなたの無能ぶりを報道してあげます。

「ふっ、ふふ。」
工藤周、14歳。
会長になれなかった恨みは案外深かった。



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