4小説マジック・ピ力チュウ=ピチカラチュウ(水林)


冷たい汗が頬を伝い落ちる。
震える指先。
向かい側のユキトーは妖しげに微笑んでいて、
そして、私は……



「あぁあああーーーーーーーー!!」
「水林の負けー」
「ジェンガー!!!!」


塔の残骸の前で泣き崩れる私。
まぁ、とっっても暇だったのです。
生徒会長(中等部)は初音先パイに狩り出されましたし。


「さて、……水林、付き合ってもらうよ?」
ニッコリと悪魔の笑みをうかべてるユキトー。
そう、私が勝ったら、中等部3年の教室に一緒に行き、
ユキトーが勝ったら……


「一緒に森に行ってもらうよ。」
とのことで。


「いやなのですよぅ〜。……ここ、ジメジメしてて、こけ生えてますし……
しかも、変な噂があって……。」
「あぁ、あれ?そんな怖い?」
「怖いですよ!私と貴方の作者だって半泣きでしたからね!
ユキトーは怖くないのですか!?」
「怖くないよ。だってあれボクが流したもん。さ、行くよ。」

………あれ?
何か今さらりとすごいこといいませんでした?
「はっ、ぇ………はい?……な、何で?」
「だって、皆の悲鳴きくの、楽しいから。」
「あなたって本当に時々Sですよねぇ!!」
ユキトーは私をさっさとおいて奥に入っていきます。
そんなんだったら、つれてこなきゃいいじゃないですかーーーーー!!


「うるさいよ、ほらついた。」
何か紋様がかかれてます。
「え、これって……」
「そ、ボクの召喚場所。」
あぁ、危ないし、そこの木らへんにいた方がいいよ、と忠告されました。
………本当に何でつれてきたんですか。
まぁ、ここまで来たんだから大人しく見ておいてやるのですぅ。


「神秘なる力をもった大地よ………」
ブツブツと手をかざして早口で何かいっています。
「……我に力を与えたまえ。」
そこだけ、ききとれました。
「……我が召喚獣よ、出でよ。」
「!」


そのとたん、ユキトーの両手の中で光がはじけ、
青白い炎と赤い炎、緑の炎がからまりあい、強風がまき上がりました。
「っユキトー!!」
ゴォォ、と何かの叫び声か何かが響きます。
何故か私の心の中に、不安な気持ちが広がり、力の限り叫ぶと、
いきなり、光と風が消えました。
その、魔方陣の真ん中にいたのは、
「ピッカッチュウ!」
「おー、ピカチュウ。」

「……何故ですかーーーーーー!!」


何だったんでうか今までのかっこいい風だった前振りは!!
っていうか、こんな小説でポ○モンだしていいんですか!!


「ちがうぞ、水林。これはピカチュウではない。」
「……はい?」
「これはだな、『ピ力チュウ』とかき、『ピチカラチュウ』と呼ぶのだ!!」
「無理矢理――――――!!!」
「ピーカー」
「だからこれは『ぴーちからー』っているんだ!桃色なんだよ何かが!」
「素直に失敗したって認めなさい!!!」
「It’s小説マジックなんだよ。」



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