8.2つの楽器のための『蛍の光』〜後編〜




例えば、この気持ちを表すのに泣きたいではあまりに弱い。
どちらかというと目の前にハツがいれた紅茶と周が「毒入りだよ」と言って持ってきたコーヒーを前に出されて、
ハツの方をとってしまったときのようなそんな感じ。


つまりどちらになっても地獄。向かう所に幸なし。


又は、家に帰ってきたら昨日まで空き部屋にあったピアノが廊下に出してあったのを見たときだとか。(昨日まで確かに部屋にあったよね?)


又は、そのピアノのほこりかぶり加減がハンパなくて弾こうと思ったけど楽譜がなにもなくて、
部屋の棚を見たら『蛍の光』が目にとまってしまった感じだとか。


又は、とりあえず唯一の楽譜『蛍の光』をエンドレスリピートしてたら、
普段はすごく辛口少女の家からリコーダーが聞こえてきた感じ。


又は、とりあえず一緒?に演奏??していたら、
「あ、僕達が一緒に演奏するのって9年ぶりだ」って少し嬉しくなったけど
考えてみたらそんなときにひいているのが『蛍の光』だったり。


そんな僕等を夕日がほほえんで見ている。


そんな感じなのです。


back  menu 

家具

テンプレート