火曜サスペンス劇場〜種族を超えた愛憎劇〜前編




それは或る日の放課後。
特に珍しくも何とも無い、閑古鳥が大合唱している図書室で、僕は一人で本を読んでいた。
3分の1位読み終わり、そろそろ3人目の被害者が出るかな、とページをぺらりと捲る。

ガラガラッと、ドアの開く音がした。
本から目を挙げて、誰かと確認するとエイリアン(withポテチ)である。

「にょっ、朝月。奇遇なのだな。」
「いや、…柊とは毎日図書室で会ってる気が。」
「先生――、返却なのだーー」
柊が先生にポテチを隠しつつ返却本を押しつけるのを眺めて、また本に目を戻す。
何処からともなく「パリッ、ゴソゴソ」という音がする。
……先生は何処かへ消えたらしい。




4人目の被害者が出た頃。
またドアが開く音がした。
今度は誰かとドアの方向を見ると、柏原(withうす塩)である。
柏原はスタスタとカウンターの前を横切ると、奥の机に座ってポテチの袋を開けた。
ポテチを食べている間の柏原は、僕の少ない語彙力じゃあとても言い表せない程
…何だ、その……察してください。
端的にいえばとても「これは酷い」状況なのだった。

そこに柊がやって来た。
「パリパリ」の二重奏から考えると、どうやら柊も持参のポテチを食べているらしい。
(柏原がポテチを他人(しかもエイリアン)にあげるわけがない。)

突然、「パリ…」と一方のポテチ音が消えた。
次の瞬間、

「バタンッ!」
「「!?」」



ポテチ音が消えた方から何かが倒れる音がした。
慌てて振り向くと、其処には。


白眼を剥いて卒倒している柏原と唖然として表情の柊が立っていた。

                <To be continued……>
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